はじめに

ASEAN(東南アジア諸国連合)地域で最大人口のインドネシアにて商標権の権利保護を行う際に役立つ情報を、以下に掲載しております。
本ページが、お客様が海外で知財保護を行う上での一助となれば幸いです。ぜひお役立て下さい。

インドネシアにおける商標権

(1)保護対象

  • 商品・サービスに使用する商標
  • 文字商標、図形商標、立体商標、ホログラム商標
    ※団体商標制度:有
  • 地理的表示
  • 原産地表示
    (防護標章制度:無)

(2)出願

インドネシアにおいて商標権を取得するためには、インドネシアの代理人を介してインドネシア商標局に直接出願する方法と、インドネシアを指定したマドリッド協定議定書に基づく国際商標登録出願(マドプロルート)がある。

直接出願

①手続言語:インドネシア語
②提出書類
(1)願書:商標、出願人の氏名・住所および国籍、指定商品リスト
(2)商標所有宣誓書
(3)委任状
(4)商標印刷見本
(5)優先権証明書(優先権を主張する場合)を提出する場合は宣誓翻訳が必要
   ・パリ条約に加入しているため、日本での出願を基礎とする優先権の主張が可能である。
③1出願多区分制採用
④ニース協定:加盟(国際分類採用)

(3)審査

審査段階では、主に次の要件について審査が行われる。

  • 識別力のない商標
  • 同一又は類似の商品・役務を指定する先行商標と同一又は類似の商標
  • 虚偽的又は欺瞞的な商標

実体審査で拒絶理由を発見した場合、商標局は拒絶理由通知を発行し、通知書が交付されてから30日の期限内に応答することができる。応答期間が短いので留意が必要。

付与前異議申立制度を採用しており、商標出願の公告期間中に、何人も異議申し立てをすることができる。商標登録後は、利害関係人が取消訴訟を提起することが可能である。

※インドネシアでは、真正な商標所有者が商標出願をする前に、他人に商標出願をされてしまうことが多々あり、なかでも元社員やライセンス契約のない元代理店が、会社に無断でブランド名を出願するケースが多い。
もし、自らの出願より先に、他人によって商標が出願されてしまった場合には、異議申立を行うことが可能。

<平均的な審査期間> ※2018年3月時点
2016年法改正により、実体審査は公告期間経過後150営業日以内に完了される旨規定された。
(過去には、出願から登録に至るまでの審査期間は、約3年~3年半程度であった。)

<審査フロー>

(4)登録後

  • 存続期間:出願日より10年
  • 更新申請して手数料を納付すれば、存続期間は10年ごとに延長が可能である。更新期間は満了前6月~満了日(満了後6月の追納期間有)※更新時に使用宣誓書が必要
  • 侵害:親告罪

不使用に基づく商標取消審判(商標局の職権による):下記の場合に可能となる。

①総局により認められる理由がある場合を除き,登録の日又は最後に使用した日から継続して3 年以上商品及び/又はサービスの取引に使用されていない場合
②標章が,登録標章と合致しない標章の使用を含め,登録出願された商品又はサービスの種類と一致しない商品及び/又はサービスの種類に使用されている場合

登録取消訴訟(商務裁判所に出訴)

(1) 標章登録の取消訴訟は,標章の登録の日より5年以内に提起される。
(2) 当該標章が宗教規範,道徳又は公共の秩序に反する場合,取消訴訟は,期間の定めなし に提起することができる。

知的財産情報サイト

インドネシアの特許庁であるインドネシア知的財産総局(Director General of Intellectual Property:DGIP)のホームページで、知的財産関連情報を提供している。また、DGIPのトップページからデータベースにアクセスし、オンラインで商標の最新情報や登録状況を、無料で確認したり、商標公報を入手することができる。インドネシア語の表示のみ対応しているが、画面上でMerek(=商標)を選択し、空欄部分に登録番号や商標名を入力し、「Cari(検索)」をクリックすれば、該当案件の内容が表示される。

また、世界知的所有権機関(WIPO)が提供するデータベース(Global Brand Database)であれば、英語で同様の商標検索が可能。

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    この記事の監修者

    八谷 晃典 (はちや あきのり)
    大阪法務戦略部長 弁理士/特定侵害訴訟代理人 スペシャリスト

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