はじめに

現在、自動車業界は劇的な変革の時期を迎えつつあります。

世界規模で急速に進む環境規制の強化により、二酸化炭素排出のないEV(電気自動車)またはFCV(燃料電池車)がこれからの自動車の世界的標準となる時代がすぐそこまで来ています。

このガソリンエンジンを旧時代のものとする時代の流れは、モーターなどの動力部の開発が比較的容易であること、また、リチウムイオン電池等の蓄電池さえあれば開発可能なこともあって、自動車メーカー以外の異業種の参入が想定されています。

そして、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、そしてビッグデータを活用した自動運転技術についても、官民一体となって国を挙げて研究開発がすすめられており、世界的な競争も激化の一途をたどっています。

当所では、自動車業界の皆様に、歴史的な転換期を迎えた自動車業界に合った商標登録の方法を知って頂きたく、このようなページを設けた次第です。

自動車およびその部品等について

自動車車両を日本で登録する場合には、第12類「自動車並びにそれらの部品及び附属品」と指定します。

また、下位概念として、「ハイブリッド自動車」、「プラグイン電気自動車」、「燃料電池電気自動車」、「水素自動車」、「自動運転車」、「自律走行式自動車」等の積極表示を指定することも可能です。

なお、「自動車用エンジン」および「自動車用タイヤ」等の自動車の部品についても、そのほとんどが第12類の同区分となりますが、例外的に、「自動車用エンジンの部品」は第7類、「自動車用ヘッドライト」は第11類、「自動車用フロアマット」は第27類を指定することとなります。

自動運転システム等について

現在、開発競争の真っただ中にある自動運転システムの名称についても、もちろん、商標登録の対象となります。

自動運転の中核をなすコンピュータプログラムおよび人工知能に関しては第9類「電子計算機用プログラム」の範囲内にあると考えられますし、また、自動運転のためのビッグデータを他者に提供することは、第35類の「ビッグデータに関する情報の収集・管理・分析」の役務を指定することになろうかと考えます。また、ビッグデータについて他者のために試験または研究をするのであれば、第42類の「ビッグデータに関する試験又は研究」を指定することとなるはずです。

ただ、現在では、急速に進歩しつつある分野のため、指定商品・役務名がこれに追いついておらず「人工知能」および「ビッグデータ」関連の審査採用例はごくわずかです。

審査採用例が少ない商品・役務分野においては、その商品・役務を積極的に表示することをお勧め致します。審査で拒絶理由通知がなされる可能性はありますが、担当審査官との応答により、適切な権利範囲を獲得できます。

IoT×AI支援室・ベンチャー支援室のご案内

”HARAKENZO more では、IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)技術の権利取得・活用等の支援業務の専門家集団を揃えた「IoT×AI支援室」を設置しております。クルマの電子化・電動化、自動運転システム等についての権利取得をご希望の方は、ぜひ、ご覧ください。

また、ベンチャー企業支援に特化した「ベンチャー支援室」も設置しております。「ベンチャー支援室」ページでは、一定規模のベンチャー企業が出願人の場合に軽減・猶予される料金の紹介、また特定の条件で交付される公的補助金についても詳述しております。ぜひ、ご覧ください。

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この記事の監修者

八谷 晃典 (はちや あきのり)
大阪法務戦略部長 弁理士/特定侵害訴訟代理人 スペシャリスト

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