はじめに

スポーツは観戦するのはもちろんですが、自身で体験するのも楽しいものです。 消費者の間で高まる健康志向に後押しされ、最近ではジョギングブーム、そして、中高年にはトレッキングなどがブームとなりつつあります。また、スポーツジムに通うということも今や日常的なこととなってきました。 そして、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。スポーツ業界はますます活況となることでしょう。 ”HARAKENZO more ではスポーツ業界の皆様を応援し、商標登録出願の際に必要となる指定商品・役務について知っていただきたく、このようなページを設けさせていただきました。

スポーツ業界の指定商品/役務について

スポーツ産業については、さまざまな定義・分類があるものの、「スポーツ用品産業」、「スポーツサービス提供事業」、「スポーツエンターテイメント産業」の3つについて大別し、どのような指定商品・役務を記載すべきか、当所からの提案を含めた説明をしていきます。

スポーツ用品産業

スポーツ用品産業とは、製造・卸売・小売の産業群を言います。 ここで、スポーツ用品といえば、かつては、運動靴、トレーニングウェアのように専用品の側面が強いものでありました。 しかし、スポーツメーカーがスター選手と契約することによって、スポーツウェアが街中で着られるファッションブランドへと変貌していきます。 また、最近では、情報通信機器の発達により、例えば、スポーツシューズあるいはウェアにチップ等をはめ込むことによりスマートフォンとの連動で、走行距離・心拍計等のデータ蓄積サービスを行っているスポーツメーカーも見られるようになりました。 そして、商品の流通についても、変化が起きています。いままではメーカーが製造した商品を卸売が経由して、小売店が販売するという形態をとっていましたが、最近では、製造業者であるメーカー自身が直営店を経営し、その店舗数を増やしていくという形態をとるようになりました。余計な中間マージンが発生せず、また、コンピュータによる在庫の一括管理が可能となるということで、これからこのような事業形態も増えていくことでしょう。
  • 第25類 被服,履物,帽子,運動用特殊靴,運動用特殊衣服
  • 第28類 運動用具,球技用具,陸上競技用具,トレーニング用具
  • 第18類 スポーツバッグ,かばん類,袋物
  • 第 9 類 電子計算機用プログラム,スマートフォン用アプリケーションプログラム
  • 第42類 インターネットにおけるサーバー記憶領域の貸与
  • 第35類 被服※の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供 (※の部分は小売等役務で取り扱う商品名を記載)

スポーツサービス提供事業

スポーツサービス提供事業とは、たとえば、フィットネスクラブ・ゴルフ練習場等のスポーツ施設の維持・管理業務を主体とした事業をいいます。 かかる事業は、もともと提供施設の維持・管理が業務の主体であったものの、最近では、専属のトレーナーからマンツーマンで指導を受けているのが当たり前の光景となっています。また、トレーニング方法や栄養の知識の教授、各種勉強会の開催。そして、トレーニング後に摂取するプロテイン、ビタミン等の栄養補助剤の販売等、多角的な事業展開を広げていっています。
  • 第41類 技芸・スポーツ又は知識の教授,個人指導(フィットネストレーニング),セミナーの企画・運営又は開催,ヘルスクラブの提供(健康及びフィットネスのためのトレーニング)
  • 第44類 栄養の指導
  • 第 5 類 薬剤,ビタミン剤,アミノ酸剤,サプリメント
  • 第29類 食用たんぱく
  • 第32類 清涼飲料のもと,プロテインを強化したスポーツ用清涼飲料,清涼飲料
  • 第35類 サプリメント※の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供 (※の部分は小売等役務で取り扱う商品名を記載)

スポーツエンターテイメント産業

スポーツエンターテイメント産業とは、プロスポーツの運営や、スポーツイベントの開催をいいます。 プロスポーツ業界の変遷の一例として、プロ野球を説明しますと、かつては観戦チケット・放送料が主な収入源でありました。しかし、地上波の撤退等により、収入源も変わってきています。 近年は、球団の優れたアイディアにより人気選手または応援グッズのデザインが素晴らしいものも多くなり、販売が好調です。なかには販売による収益が球団の全売り上げの三分の一を占める球団も存在するなど、重要な収入源となっています。 そして、地域密着化の一環として、子供向けに野球アカデミーや、チアリーディングスクールを経営する球団も数多く見受けられるようになりました。 スポーツイベントの世界では、市民ランナーの増加により、各種マラソン大会も数多く開催されています。大会を主催する団体等は、公式グッズの販売や、第三者による無断使用、ただ乗りを防ぐためにも、商標権を取得する必要性は大いにあります。
  • 第14類 キーホルダー,ピンバッジ
  • 第20類 クッション,座布団,サインボール
  • 第24類 タオル,布製身の回り品,敷布,毛布,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)
  • 第25類 被服,運動用特殊衣服,ユニフォーム
  • 第28類 バット型の応援用メガホン,マスコット人形
  • 第41類 技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,スポーツの興行の企画・運営又は開催

海外で商品を製造している皆様へ

製造コストを下げるために、海外で衣料品や靴を製造し、日本へ販売のため輸入している企業様も多いものと存じます。海外で衣料品や靴を製造して商標を付す場合、日本への輸入に際して日本で商標登録が必要なのは当然ですが、原則として、衣料品に商標を付したその国でも商標登録が必要になる点に注意が必要です。 仮に、その国で他人が似たような商標について商標権を持っている場合、商標を付す行為がその国の他人の商標権侵害を構成すると、商品を日本へ輸入する前に差押えられるといった事態が生じる可能性があります。 衣料品を製造される海外の国としては、中国を含む東アジアをはじめ、近年では東南アジア、南アジアといった国々も多いものと思います。各国において商標の取扱は様々であり、商標登録を行う方法にも、各国において必要なノウハウがございますので、この点はお気軽にご相談頂ければ幸いです。

最後に

スポーツ業界にとっては、ブランド構築は非常に重要となります。 とある個室プライベートジムが、施術前と施術後の人物を対比させる斬新なCMにより、一躍、全国区のブランドへと変貌を遂げたのは記憶に新しいところでしょう。 いまや、その企業は、一躍有名になったそのブランド名で、ゴルフスクール、英会話など、多角的に事業展開を広げつつあります。 このように、ひとつのヒット商品で業界地図が一変するだけに、ブランドの保護はとても重要となります。 また、当所では、地域活性化のためのスポーツビジネスについても、応援しています。 資料を作成いたしましたので、併せて、こちらもご覧いただければ幸いです。 資料は こちら

この記事の監修者

八谷 晃典 (はちや あきのり)
大阪法務戦略部長 弁理士/特定侵害訴訟代理人 スペシャリスト

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