外国出願は、日本出願に比べると費用も手間もかかるため、出願国は慎重に決めていきたいところです。一言で海外進出といっても様々な形態があると思いますが、どのような国で商標権を取得する必要があるのでしょうか。 この問いに対しては、絶対的な回答は存在しません。ただ、下記の基準は、出願国を決定する際の一つの目安にはなると思います。

(1)自社の営業所、現地法人等がある国

既に自社商標が使用されていますので、第三者の商標権を侵害しているとすれば、営業上大きな問題となるからです。

(2)主要な輸出国

輸出を確保するため、早急に商標出願をする必要があります。

(3)中国

日本の税関の平成25年1月から9月までの統計によると、水際で輸入差し止めされた侵害物品の仕出国(原産国ではありません)は、件数ベースで92.1%、点数ベースで81.3%が中国でした。 知的財産別では商標権が件数ベースで98.6%、点数ベースで95.9%ですので、ほとんどの模倣品は商標権侵害物品であり、そのほとんどは中国から輸出されていることになります。この傾向は、日本に限るものではありません。 したがって、中国で商標権を取得しておくことは、国際的に模倣品を排除する有効な手段の一つとなり得ます。

(4)主要な輸出国には該当しないが、今後輸出量が増加する見込みがある国

将来生ずるかもしれない問題を未然に防止するためです。

(5)その他自社の営業上重要な国

この記事の監修者

八谷 晃典 (はちや あきのり)
大阪法務戦略部長 弁理士/特定侵害訴訟代理人 スペシャリスト

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