はじめに

アラブ首長国連邦にて商標権の権利保護を行う際に役立つ情報を、以下に掲載しております。
本ページが、お客様が海外で知財保護を行う上での一助となれば幸いです。ぜひお役立て下さい。

※<アラブ首長国連邦商標出願の平均的な審査期間> ※2018年6月時点
出願から登録査定に至るまでの審査期間は、拒絶理由通知の発行、異議申立てがなければ、およそ9か月から12か月となっております。

アラブ首長国連邦における商標権

A.商標登録の対象について

(1)商標の種別

  1. 商品商標
  2. サービスマーク(役務商標)
  3. 団体商標
  4. 監督あるいは検査用途のみに使用される標章
  5. 非商業的用途に使用される標章
  6. 地理的表示(GI)

(2)出願可能な商標の保護対象

名称、語句、署名、文字、数字、図面、記号、住所、刻印、人物の写真、彫刻、包装、グラフィック要素、形態、色彩(単色または複数色)、これらの組合せ、符号または符号群。
※立体商標、単色の商標、ホログラム商標、音商標、匂いの商標も認められる。

B. 出願から登録までの流れ

(1)存続期間

・出願日から10年。
・10年単位で繰り返し無制限に新たな審査なしに更新できる。

(2)分類

  • マルチクラス出願(一出願多区分制度)を認めている。
  • 2021128日付で発行した新たな連邦法に従い、正式にニース協定に加入している。

但し、第33類全般、第32類のアルコール飲料、第29類豚肉等は登録を受けることができない。

(3)出願に必要な書類(言語:アラビア語)

  1. 願書
    標章に外国語の語句が含まれる場合には、願書に公式なアラビア語訳を添付要。
  2. 商標見本
  3. 委任状(署名と領事認証要)
  4. 優先権証明書(優先権主張の場合のみ)

(4)出願公開

商標出願が受理された時点で、監督官庁の官報上で公開される。

(5)審査

  • 審査請求制度はない。
  • 実体審査が行われる。
  • 主な不登録事由は下記のとおりである。

(i)識別力を欠く商標
(ii)公序良俗に反する商標
(iii)商品・役務の出所混同をもたらす可能性のある地理的名称
(iv)商品・役務の出所/原産地に関して、公衆を誤らせ、または、虚偽の情報を含む標章、並びに、架空の、模倣された、または、偽造された商号を含む標章
(v)登録されれば、当該標章によって識別される商品と類似商品の素性について消費者に混同をもたらす場合、周知の標章または登録済の他の標章の翻訳となるような標章
(vi)自国又は外国の紋章又は通貨を組み込んだ標章
(vii)同一商品・役務についての既登録商標と同一・類似の商標は登録できない。
また、この既登録商標と異なる商品・役務に用いるものであっても、その使用が、その商品・役務と商標権者との関連性を示すか、商標権者の利益を損なうおそれがある場合、登録できない。

(6)出願公告・異議申立

出願が承認されると、出願人の費用負担によって、公報およびUAEで発行されているアラビア語の日刊紙2紙で商標が公告される。
利害関係人は、最後に公告された日から30日以内に異議申立を行うことができる。
※異議申立期間が短いので注意が必要である。

(7)登録

出願が登録要件を満たす場合、出願日から30日以内に商標登録にかかる決定がなされる。

(8)審判・取消請求制度

①無効

過誤登録については、利害関係人は商標登録を取り消すための裁判所命令を求めることができる。

②不使用取消

5年間不使用であれば、利害関係人は取消請求可。

(JETRO・アラブ首長国連邦における 商標権取得・行使に関する制度概要調査より)

C.条約

主な条約への加盟状況は以下の通り。

パリ条約WTO協定商標法条約マドプロニース協定
加盟加盟未加盟加盟加盟

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    この記事の監修者

    八谷 晃典 (はちや あきのり)
    大阪法務戦略部長 弁理士/特定侵害訴訟代理人 スペシャリスト

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